strawberry on the shortcake



 甘い物は苦手なんだ、と彼は以前そう言って、わたしにケーキをくれた。貰い物の菓子折りで悪いがと、駅前にある有名なお店の箱を渡された時には素直に喜んだものだ。
 甘い物はわりと好きだし、ケーキの中で苦手なものもない。だから彼がふと張り詰めてたような息を吐いた時はどうしてなのか理由がわからなかった。単に苦手な物を手放せて安堵したのだろうかとしか、考えられなかった。
 こうしてケーキ屋のお店の窓ガラス越しに貴方の姿を見るまでは。
 眉間に皺を寄せて悩んでいるようだった。きっとこれから会うわたしのために、優しい嘘をつきながら選んでくれてるんだろう。
 彼に気付かれないように店の中に入って、背中越しにショーケースを覗いた。
 見えたのは苺の乗ったショートケーキ。
「わたし、ショートケーキが好きだな」
 と、口に出せば、驚いた顔で振り向く貴方。
「香穂子?どうしてここに……」
「用があったから月森くんを迎えに来たんだ。ケータイで連絡しようとしたら、偶然姿が見えたから、追いかけてきたの」
「そうか……」
「ここのケーキはあんまり甘くないのもあるよ?食べられないなら半分個にしようよ。というわけで、ショートケーキとシフォンケーキ一つずつください」
 置いてけぼりな状態の彼に、わたしは構わずさっさと会計を済ませる。
「いや、香穂子……俺が支払うから」
「気にしないで、貰い物の菓子折りだから……なんてね?」
 と、付け加えると、ハッとしたように彼が動きを止める。
「気付いていたのか」
「今さっきだけどね」
 ありがとうと告げると、嘘がバレてしまったためか複雑そうに貴方は微笑む。
「しかし、それとこれとは話が別だ。会計は俺が払う。元は俺が君に買おうとしていたものだ」
「じゃあこうしよう、月森くん。今度の休日は練習の前にわたしに買物付き合って?それで、練習終わったら一緒にケーキ作ろうよ」
「そんなことで構わないのか?」
「そんなことじゃないよ。お金じゃ買えない物がいっぱいなんだから」
 ケーキを一緒に作ったという貴方との思い出に、一緒に過ごせる貴方との時間、そして貴方と作ったケーキ。既製品のケーキよりもずっと多く素敵なことが詰まってるよ。
「解った、君がそういうのなら」
 納得してくれたのか、彼はすぐに笑みを浮かべてくれた。
 どんなケーキを作ろうか?二人で食べられるケーキにしようね。わたしの好きな苺を使ったものも悪くない、タルトも良いかも、でもやっぱり苺と言ったらショートケーキかな?生クリームは砂糖控え目のカロリーオフにちょうど良い。
 甘い彼に甘くないケーキ、生クリームにちょこんと乗ってる小さな苺、わたしの好きなストロベリー オン ザ ショートケーキ。





 要するに、初めてまともに月日を書いた感じですね★すいませn(ェ)
 ぶち壊してないことを祈ります。短くすることで頭がいっぱいでした(ちょ)
 ってか、相変わらずこれもケータイで書いてる感じです。
 ケータイ万歳ですよ!文明の利器万歳!!!!


   20071224  七夜月

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