(no subject)



 件名:すまなかった
 本文:すまない、君がそれほど怒るとは思わなかったんだ。
     だが、誤解しないでほしい。
     俺は君を怒らせるつもりはなかった。
     本当にそう思ったから言っただけだ。

 件名:Re:すまなかった
 本文:ふーん('ε')

 件名:Re:すまなかった
 本文:怒っているのか?

 件名:(no subject)
 本文:怒ってない(`×´)

 件名:(no subject)
 本文:怒っているだろう。

 件名:(no subject)
 本文:怒ってないってば!

 件名:(no subject)
 本文:

 件名:(no subject)
 本文:うー。

 件名:(no subject)
 本文:すまなかった

 件名:(no subject)
 本文:……怒ってないの、本当だよ

 件名:(no subject)
 本文:じゃあ何故?

 件名:(no subject)
 本文:恥ずかしかったから

 件名:(no subject)
 本文:恥ずかしい?

 件名:(no subject)
 本文:自分が恥ずかしかったの!

 件名:(no subject)
 本文:?

 件名:(no subject)
 本文:月森くんにそういって貰えて嬉しいけど。
     嬉しいけど、ちょっと恥ずかしかっただけ。

 件名:(no subject)
 本文:……そうか。

 件名:(no subject)
 本文:……そうです。

 件名:(no subject)
 本文:なら、もう一度言っても構わないだろうか。

 件名:(no subject)
 本文:えええっ!?今の話からなんで!?

 件名:(no subject)
 本文:君の照れた顔が見たい。

 件名:(no subject)
 本文:月森くんってSキャラじゃないでしょ!
    ダメだから!
    言ったら言い返すよ!?

 件名:(no subject)
 本文:なら尚更言おう。

 件名:(no subject)
 本文:ぎゃー!Σ(T□T)墓穴ですか!
    すみませんうそです冗談です!

 件名:(no subject)
 本文:そんなに嫌なのか?

 件名:(no subject)
 本文:……嫌じゃないの、嫌じゃないけど。
     やっぱりまだ慣れないなあ。

 件名:(no subject)
 本文:……そうだな、すまない。俺は少し焦り過ぎたのかもしれない。

 件名:(no subject)
 本文:違うよ、月森くんはあせってるんじゃなくてわたしとの時間を大事にしてくれてるだけなんでしょ?

 件名:(no subject)
 本文:なら、やはり言おう。

 件名:(no subject)
 本文:ちょっとまって、なにさっきのしおらしさは、まさかフリ!?
     だまされた!


「騙していない」
 不意に聞こえた声に香穂子はハッとして顔を上げた。
 突然練習室での二人練習を抜け出した香穂子を屋上まで迎えに来た月森はいささか怒っているのか、オーラが怖かった。
 2月ともなればさすがに寒い。人がいないのを狙って香穂子は屋上までやってきたのだが、香穂子が考えることは全部お見通しなのか。月森がやってくるのはメールのやりとりをしてからすぐだった。鉄格子に阻まれてもう後退することも出来ず、香穂子は逃げ場を失って青くなる。
「うそだ、だましてる!そして、月森くんが怒ってる気がするんですが!」
「それは怒りもするだろう」
 一歩近づかれるたびに、怒られるとか視線で威圧されるとかそんなことばかりが脳裏によぎって香穂子はまともに月森と目があわせられない。
「ごめんなさいごめんなさい。抜け出してごめんなさい!」
「そうじゃない、こんな寒い場所に居て風邪でも引いたらどうするつもりだ」
「え、そっちなの!?」
「ほかにもある」
「あるんだ!ああ、もうなんか怒ってることに対して全部すみません!」
「……はあ」
 とうとう月森の吐息が頭上で感じられるまで距離が縮んでしまった。
 香穂子が目を瞑ってすみませんといい続けていると、その身体が包まれた。
「頼むから、逃げないでくれ」
 抱きしめられていると知ったのは、目を開いたときに月森の胸ポケットにある校章が目に入ったためだ。
「君に逃げられると、どうしたらいいのかわからなくなる。何か間違えて、また君を傷つけてしまったんじゃないかととても不安なんだ」
「いや、傷ついてないです」
「……ならいいんだが」
 ゆっくりと身体を離されて、香穂子は月森の顔をようやく見た。彼が怒っているのではなく、安堵していることに気づいて更に罪悪感で謝罪したくて胸がいっぱいになった。
「本当に、傷ついてないよ。月森くん何一つ間違ってないから。わたしは単純に恥ずかしかっただけなの」
 ああ、ごめんなさいと香穂子は何度目になるかわからない謝罪を口にした。
「……そんなに恥ずかしいのか?」
「言う側として恥ずかしくないの?」
「どうだろう、あまり羞恥心は考えていなかった」
「月森くんってある意味天然だよね」
「そうか?」
「そうだよ。あ、そうだ」
 香穂子はふと思い立って、今まで使っていたケータイを手のひらで開いた。そして月森のメールに返信する形で文字を打って送信する。
「要するに、言うから恥ずかしいんだよね。じゃあ言わなきゃいいんだよ」
「なんだ?」
「練習戻ろうか、中断してごめんね」
「香穂子?」
「いいからいいから」
 香穂子は月森にメールを送信したことには触れず、その腕を引いて屋上を後にした。
 後々、メールという形が残るほうが恥ずかしい事実だということに気づいた香穂子だったが送ってしまったのでまさに後の祭りだ。更に追い討ちをかけるように月森がそのメールに保護をかけたため、香穂子は羞恥に身もだえすることになるが、それは後々の話である。



 件名:(no subject)

 本文:好きです







 なんでだろう、ものっそいすごい普通にスルーに甘いのが書けるのは何故?何故だろう?月森くんが王子だからだな!(嫌な結論)
 会話のテンポをいつも重要視してるんですが、こういうのもありですよNE!☆(会話じゃないし!)
 ちなみに、時系列的にはたぶんアンコール中か2ED後だと思われます。

   20071224  七夜月

金色のコルダ TOP