キミに逢いたい(将臣)


 こうして夜空を眺めながら、ふと思い出すのはアイツのこと。
 時空の狭間ではぐれてから、俺たちは別々の年代に飛ばされた。
 ちゃんとメシは……食ってるか。譲がいるもんな。
 アイツは白龍の神子だから、死ぬことはないと思う。八葉が、守ってくれるし、何よりそんな気がしてならねぇよ。
 けど、それでもやっぱ心配だ。今までずっと一緒に居たから、尚更な。
 離れてると、今更ながらに一緒にいた日々が懐かしく思えて。
 お前が手の届かないところにいるなんて信じられない。俺も年食ったぜ。
 年、か。確かに取ってるんだろうな。まさかあいつよりも年上になるなんて思いも寄らなかった。
 変わった俺は酒も飲めるし、身体も大きくなった。今更ながらに三年という月日を認識する。
 けどよ、変わってないこともあるんだぜ?
 気がつけばいつだって、俺はお前のことばっかり考えてる。
 それは元の世界にいた頃からずっとだ。
 離れてれば人間の気持ちなんて変わっちまうなんて思ってたのによ。
 どこがだよって感じだぜ。
 寝る前に考えることは、大抵同じだ。
 なぁ、俺はお前に逢いたい。
 逢って、俺に笑った顔見せて安心させてくれよ。
 それが無理ならせめて、夢でもいいから、逢えればいいな。
 ったく、俺も女々しいよな。お前の事になると、途端に弱くなる。
 はー、やめやめ。考えるだけ辛いだけだよな。
 お前もう、きっと寝てるだろうし。俺も寝るとすっか。

 それじゃ、ゆっくり寝ろよ、おやすみ。


遙かなる時空の中で