愛する意味(ヒノエ)


 女の子なんて、皆同じだと思っていた。
 可愛い子がいれば、やっぱり声をかけて、慈しんで、そのひとときを楽しむ。
 それが愛ってもんだと思ってたんだ。
 けどさ、それはお前に出逢ってから、見事に覆されたぜ。
 ひとときだけじゃ満足できない。お前の全てをオレのものにしたい。
 欲望が剥き出しになって、オレって言う獣が姿を現す。
 ひどい独占欲だろ? お前に知られたら、嫌われちまうかもな。
 けどさ、お前のことをいつだって独り占めしたいと思い、それと同時にいつだってお前を傷付けたくないって思ってる。
 この矛盾はいつだってオレを苦しめるんだ。冗談抜きでキツイぜ。
 でも、やっぱお前には笑顔が一番似合うだろ? だから、いつだって笑ってて欲しいってのが一番の願いかな。
 なぁ、姫君、オレはお前を傷付ける全てから絶対お前を守ってやる。
 オレにお前を守らせてくれよ。
 お前の全てを預けて欲しいと思うのは、やっぱオレの我儘かな。
 もう、我儘でも何でもいい。そんなのなりふり構ってられないよ。
 さぁ、海の男らしく、お前を攫おうか。
 オレがお前を幸せにしてみせるよ。だから、さ。

 オレの女になれよ。



遙かなる時空の中で