譲のワンクリック詐欺講座 注＊この話はネタです笑って許せる方のみご覧ください。 望美「ひんぎゃぁあああああ！！」 譲 「せ、先輩!?」 望美「譲くん、助けて！ ヘルプミー！」 譲 「ど、どうしたんですか…ってか、何をそんなに絶望して……って、先輩……こんなの見てたんですね」←アダルトサイトが表示された望美のNPCにテレながら視線をずらす譲 譲 「いえ、別に俺は否定するとかそういうわけじゃないですけど、でも先輩が見てるなんてちょっと意外だって言うか……こういうのが好みなんですか？」←ちなみに、HPの内容はわりと調教系だったりする。 望美「違うから。そんなことより譲くん！見てよコレ！ 私会員登録した覚えないのにこんな画面が……！ど、ど、どどどどうしよう……!? 3万8千円なんて払えないよ……!!」 譲 「(……なんだ、違うのか) それにしても……どうしてこうなったのか説明してください。何か解決の糸口になるかもしれません」 望美「うん、あのね。私普段フリーメール使ってて、最近スパメがやたら多いなぁと思って気をつけてたんだけど、一通のメールが来たの。差出人の名前もあるし、聞いたことあるような名前だな〜と思って開封してみたら、久しぶり〜HP開設しました、ぜひ遊びに来てね☆って書かれてたんだよ。で、それとURLしか書いてなかったからとにかくクリックしてみたら、こんなサイトが出ちゃって……」 譲 「ふむふむ、なるほど。友人に成りすましたスパメですね」 望美「そうだったんだよ……！私もそれに気づいてとにかくウィンドウ消そうと思ってたんだけど、私のNPCパッドマウスのワンクリックでエンターだから（＊通常はダブルクリックが果たす役割をワンクリックで済ます）、なんか間違えてそのサイトのサンプルリンクを開いちゃったみたいなの。そしたら電話のコール音みたいなのが聞こえてなんか私のIPアドレスとか請求書のある画面が出ちゃって……！」 譲 「なるほど、それで会員登録がされてしまったということですね」 望美「うん、これってどうしたらいいのかなぁ？ やっぱりこのHPの管理人さんに間違いでしたってメールすべきなのかな？」 譲 「待ってください、そんなことする必要ありませんよ。というか、そんなことしちゃダメです！」 望美「でも私、お金払えないし、ほらここの利用規約にも書いてあるんだけど、万一18歳未満の方が登録しても保護者の監督不届きということで支払いは保護者の方にきちんとしてもらうって書いてあるよ！」 譲 「いいですか、先輩。コレはワンクリック詐欺です。架空のデータを使ってこういったネット初心者の人からお金を騙し取ろうとする犯罪ですよ」 望美「ワンクリック詐欺？」 譲 「そうです。ですから、自ら身元を明かすような真似は絶対しちゃだめです。相手とコンタクトを取ると、どこから情報が漏れるかわかりませんからね」 望美「う、うん……わかったよ。でもそれじゃどうしたらいいのかな？」 譲 「まずはここを見てください。警視庁のHPですよ。今こういった犯罪が増えているようで、実際に何人かの犯行グループも摘発されてます。」 望美「へぇ〜……」 譲 「とりあえず、先輩の話を整理してみましょう。先輩は来たメールをスパメと知らずに開封し、またそのリンク先がアダルトサイトだとは知らずに飛んでしまった。更に、そのアダルトサイトで間違ってサンプルのリンクを開いてしまい、先輩はこのサイトで会員登録するつもりなどなく、また、有償であると知らずに会員登録をしてしまった」 望美「うん、そうだよ。あ、今気づいたけど、ここのサイトの上のほうに背景が白なのにも関わらず、文字色が灰色で何か書いてあるね。反転しなくちゃ読めないじゃない！何々？『当サイトはどれでもリンクをクリックした時点で会員になるという意思の元、会員登録をしていただいております。ご利用規約を熟読の上というのが前提ですので、会員登録後の退会については不備な点がない限り認められません』 な、何コレ〜！」 譲 「う〜ん、どうやらやはりこれはワンクリック詐欺で間違いありませんね」 望美「え、やっぱりそうなの？」 譲 「まず、利用規約と退会のみ文字が見やすく浮き彫りになっていますが、それ以外が反転しなければ見れないというのは[電子消費者契約法]に違反しています。商品を取り扱う際、きちんと会員登録する旨についてきちんと明記しなければなりません。しかし、これは明らかに隠そうとしているのがバレバレです。反転しなければ出ないというのにこれで明記したはいえないでしょう。それに、お金を取り扱う契約を交わす際、再びそこで会員登録するかどうかの確認……つまり、最低でも二回は"確認"しなければなりません。それも電子消費者契約法に載っています」 望美「へぇ、そうなんだ〜」 譲 「それに、電子消費者契約法に加え、経済産業省の特定商取引に関する法律 省令第16条の規定もありますので、特定商取引に関する法律の二条を満たしていないHPでの金銭契約は基本的に無効となります」 望美「つまり、私が今回これをクリックした際に、正式な契約が交わされたわけじゃないから、責任を負わなくていいってこと？」 譲 「勿論です。今回のケースでは先輩に何の非もありません。強いて言うなら、スパメを開かないように、メールのやりとりは十分注意すべきでしたが」 望美「うん、そうだね。それは反省してます」 譲 「けれど、規定を守っていないホームページでの契約については法律で認められていないわけですから、そもそも契約として成り立つはずがないんですよ」 望美「それじゃあ、具体的に私はどうしたらいいのかな？」 譲 「こういった場合一番最良な方法は無視し続けることです。不用意な相手との接触は、最初にも言ったようにこちらの素性がバレてしまう危険性がはらんでいますから、絶対にしないように。本当に無視してても大丈夫かなと心配になって問い合わせしちゃったりするのもダメですよ」 望美「うん、わかった」 譲 「万一、向こうからメールが来た場合でも、放っておいて大丈夫です。脅しに負けてお金を振り込んだりしないようにしてくださいね」 望美「うん……でも譲くん、私不安だよ。だって私のIPアドレスとかサーバー情報が出てたんだよ？」 譲 「あぁ、そうでしたね。けれどもそもそもIPアドレスというのはパソコン一台一台が持っているものだからと言って、その人の素性までバレるものではありません。何故なら、契約しているブロバイダーがそんな個人情報を商法サイト……ましてや違反するようなアダルトサイトに公開するはずがないからです。そんな簡単に公開していたら、個人情報の流通でプライバシーも何もあったものじゃないでしょう？ 警察の介入がくれば話は別でしょうが、普段は絶対に外部に漏れることはありません。ですから、IP情報が漏れたからと言って、先輩の家のことについてまで漏れたわけじゃありませんよ」 望美「ほっ……そっか。なら安心したかも……」 譲 「何にせよ、こういった類のワンクリック詐欺は大抵一つどころにはいないものです。逃げ道としてすぐにホームページが閉鎖されていたり足がつかないように逃げ回っているんですから、あまり信用しないようにしてくださいね。民法第90条でも定められている公序良俗に違反する行為に法的効力は存在しませんが、いつ先輩が巻き込まれるかわかったものじゃないですし」 望美「っていうか、アダルトサイトなんて見ないよ。私まだ18歳じゃないもん」 譲 「別に俺は先輩が18歳になっても見るなとは言いませんよ」 望美「いや、そこで肯定されても……ってか、譲くんなんか妙に詳しくない？」 譲 「えっ？(ギクリ) 何がですか？」 望美「何でそんなワンクリック詐欺について知ってるの？ もしかして前に一度被害にあったことがあるとか？」 譲 「違いますよ、嫌だな、変なこと言わないでください。俺はただ新聞やニュースで見たことがあるだけです。近頃特集とかも組んでますし」 望美「ふ〜ん……？」 譲 「何ですか？ その疑いの眼差しは……！ ちょ、本当に俺は見てないですよ？ （前に履歴で偶然アダルトサイトを見つけて開いたことはあるけど、それ以上のことは断じてしてない！）」 望美「……まぁ、いいけどね。こうして譲くんにも色々と教えてもらったし。何より譲くんだって男の子だし。時には人肌恋しくなる日だってあるよね。別にいいんじゃないかな？ きっと将臣くんも見てるだろうし（遠い目）」 譲 「……兄さんについては俺はノーコメントで行きますけど、俺についての変な誤解だけはしないでくださいね」 望美「…………わかったよ、大丈夫。譲くんについてはもう何も言わないよ（微笑）」 譲 「……………（先輩、その微笑が全然解ってないです……）」 終われ。 参考サイト様↓ ワンクリック詐欺にご注意 ワンクリック詐欺 20060405 七夜月 |