【楽屋裏其の四】



舞台裏。


スタッフ
「OKでーす! 休憩はいりまーす」
敦盛
「ハァ……ハァ……」
望美
「喘いでいる敦盛さんも素敵ですね!」
将臣
「ヘンタイ発言余裕ぶっこいてかましてんな」
望美
「ヘンタイっていうなっ! それに、私のは演技についてのコメントだよ。本当に長距離走ったみたいな喘ぎっぷりじゃない?」
九郎
「……本当に長距離走らせてたのは誰だ」
望美
「何か言った? 九郎さん……っていうか、思ったんだけど、なんで九郎さんここにいるの?今日は現場入りじゃないでしょー?」
九郎
「スタッフの手伝いだ。人手が足りんらしい。ギャラは別に弾むから出てくれと」
景時
「(がーん)ええっ!? 何それ! なんで俺には声をかけてくれないのかなぁ〜」

「兄上また来てらしたんですか? ここは部外者立ち入り禁止ですよ」
景時
「朔……おにいちゃん泣いていいかな……?」(めそめそ)
望美
「それよりさ、次回で最終回だよね。このチモモリ。思えば長かったようで短かったなあ。クランクインしてからどのくらいだっけ?」
弁慶
「そうですね、だいぶ経つ様に思っていたんですけど、実際考えると半月ほど、でしょうか」
ヒノエ
「わりとちゃっちゃか進んだよな〜。NGもそんな出してねえし」
望美
「そうだね〜。でもさすがにあれは笑っちゃったな〜」
九郎
「ああ、あれか……見ているこちらも笑えたぞ」

「ああ、敦盛殿のおはぎのシーンね」
敦盛
「あ、あれは……! おいしくて……つい……」
将臣
「ま、うまいもんをうまいって言うのは悪いことじゃねぇよなあ」
望美
「あそこではまずいって顔しなくちゃいけないのに、敦盛さん不味そうな顔できないんだもん。口に入れた瞬間輝かしい笑みを浮かべてゴミ箱に駆け寄った後は勿体無さそうにゴミ箱見るし」
敦盛
「神子がせっかく作ってくれたものなのに、無碍になど出来ない」
望美
「あはは、役ではそうでも別に私が本当に作ったわけじゃないんですけどね〜」
敦盛
「(がーん)え? そうなのか?」←スタッフに本当に望美が作ったときかされていた(要はスタッフにも遊ばれている)
望美
「当たり前じゃないですかー。そんな手間隙かけるならポンタくんに差し入れしますよ」
敦盛
「(……!! 私は狸以下なのか……)」
将臣
「敦盛、こいつの言動の理不尽さは今に始まったことじゃねえから、気にすんな」
望美
「そういえば今日はポンタさん見ないねェ。いつもならスタジオ入りしてなくてもいるのに」

「そうね、誰かさんと同じように」
景時
「朔、こっちを見て言わないで欲しいなぁ」
スタッフ
「ああ、ポンタさんなら今日は公開収録があるからって先に帰りましたよ」
望美
「公開収録? ポンタさんラジオでもやってるのかなぁ、今度聞いてみようっと」
男共
「(あの口調でラジオ……リスナーに喧嘩売ってるとしか思えない…!)」


 【楽屋裏其の四】 了 



    20060712  七夜月


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