【楽屋裏其の九】



スタッフの舞台裏。


スタッフA
「チモ解も次回で終わりかーとうとう終了だな」
スタッフB
「そうだな、長かったよなぁ〜。途中の休息時間とか入れても結構な時間数だったもんなぁ」
スタッフA
「二ヶ月くらいはやってるんじゃね?」
スタッフB
「だよなぁ。その間オレら結局スタッフ表記でAもBもなかったもんなぁ」
スタッフA
「そうそう、出演者には敬語使ってるから、ぶっちゃけどっちかさっぱりわかんねーの」
スタッフB
「まぁ、こうやって話しててもあんまかわんねー喋り方だけどな、オレら」
スタッフA
「だな」
(笑うスタッフ。だが二人とも虚しくなって溜息をつく)
スタッフB
「なんだかんだ言ってさ、オレ結構楽しかったんだよな、この現場」
スタッフA
「マジか?」
スタッフB
「マジマジ、だってチモモリ出演者の人たちってさ、見てて本当飽きねーっつか」
スタッフA
「ああ、解る解る。だよなぁ〜、確かに。スタジオ入ったときのあの感動とも似た驚きようは前代未聞だったぜ」
スタッフB
「なー、もう少し出演者の人と仲良くなれたら良かったんだけどさ、そこは作者のご都合主義で全部カットされたし」
スタッフA
「もう少し俺らがキャストに気を配ってるシーンとか書いて欲しいもんだよな」
スタッフB
「まったくだぜ。お陰でまるでオレらが気を遣わない人間みたいじゃね?」
スタッフA
「手腕が足りねーよな」
スタッフB
「足りねーな」
スタッフA
「でもこれ以上言ってご機嫌損ねるのも良くねーよな」
スタッフB
「確かに、いきなりここで打ち止めとかされても困るしな」
スタッフA
「どうせだったらもう少しだけ続けたいよな」
スタッフB
「だな。せっかくだから過去編とかやればいいのにな」
スタッフA
「でも、なんかキャストがオールとっかえになりそうだな」
スタッフB
「それでも来るだろ、なんだかんだ結束固いキャストたちだし。ほら、補欠スタッフとしてまた誘えばいいじゃん」
スタッフA
「だよなー、俺朔ちゃんともう少し話してみたいし」
スタッフB
「お前、それが目的かよ……しらねーぞ、兄貴に何されても」
スタッフA
「ああ、それはすっげー怖い。マジ怖い。じゃあ、お前はそういうの無いのかよ」
スタッフB
「確かに二人とも可愛いけど、周りの怖さがそれに勝るからオレは無難に生きていくぜ」
スタッフA
「堅実な奴だな、お前。もっと人生を楽しめばいいのに」
スタッフB
「命を投げ捨てるのが人生を楽しむものだとは思わねーよ」
スタッフA
「へーへー、彼女持ちには何言っても無駄だったな。そいじゃ、そろそろ休憩終わりか」
スタッフB
「ああ、楽屋裏のキャスト呼んでくるわ」
スタッフA&B 「では、最終回の撮り始めまーす。キャストの皆さん、お願いします」


 【楽屋裏其の九】 了 



    20060911  七夜月


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