白龍の神子 日本語講座

番外編 "節分2007"


神子の性格壊滅的ですので、十分ご注意ください。


白龍「鬼は〜外、福は〜内」
(窓から外にかけて豆を投げている白龍)
九郎「去年の節分は酷い目にあったな」(拍手ログにある「節分」参照)
将臣「ああ、これ以上無いくらいにな」
ヒノ 「あれ、白龍何やってるんだい?」
譲 「ああ、今日は節分だから。お前もやるか?」
ヒノ 「面白そうだね。やらせてもらおうかな」
白龍「『鬼は外、福は内』って言いながら豆を投げるんだよ」
ヒノ 「なるほどね、わかったよ……っと」
将臣「どうした? 何探してるんだよ。豆は貰ったんだろ」
ヒノ 「ああ、まぁ……でも鬼がいないんじゃ投げられない」
弁慶「ヒノエ、それは誰のことですか?」
ヒノ 「出た。『鬼は外、福は内』『オレの神子、手を出すな』」
(弁慶に向けて投げつける豆)
弁慶「…ヒノエ、いい度胸ですね。あと、彼女についてさり気なく自己主張しないでください。彼女は誰のものでもないはずですよ。白龍、豆をくれますか?」
白龍「うん、わかった」
九郎「ヒノエ……お前、勇気と無謀を取り違えると命を落とすぞ」
弁慶「九郎、君も十分いい度胸ですよ」
ヒノ 「アンタに言われたくないね」
将臣「ここの空気恐ぇよ」
弁慶「さて、『鬼は外、福は内』『君じゃ無理、諦めろ』」
(顔面集中砲火)
ヒノ 「ふん、アンタのも十分自己主張じゃないのかよ?『年増だろ、引っ込んでろ』」
弁慶「『ガキですね、湛増は』」
ヒノ 「『たんぞうって、オレ呼ぶな』」
弁慶「『だから君は、甘いんです』」
ヒノ 「『荒法師が、ほざいてろよ』」
弁慶「『よほど君、眠いようだ』」
ヒノ 「『どうすんだ? 眠らせるか』」
弁慶「『生ぬるい、永久(とわ)の眠りを』」
九郎「すごいな二人とも、豆の速度がまったく見えない上に、器用に喧嘩しているぞ」
将臣「感心するとこそこかよ。あんなに笑顔なのになぁ、ホントお互いわけわかんねぇ奴らだぜ」
――ピンポーン。
譲 「誰か来たのかな。はい、どちら様でしょうか」
望美「わたし!! みんな〜元気に豆撒いてる!? 今日は楽しい豆撒きの日だよ!」
(インターホンを待たずに元気に入ってくる神子)
譲 「先輩…すっごく嫌な予感がするんですが、なんでそんな楽しそうなんですか?」
望美「や、ほら去年はちょっとフツー過ぎてつまらなかったじゃない? だから今年はもっと楽しめるようにって!」
将臣「去年高笑いしてすげー楽しそうに豆ぶつけてきた奴の言う台詞じゃねぇよな」
望美「じゃじゃーん、今年は豆も改良しました〜! 試しに行くよ〜」
(未だ豆をぶつけ合っていたヒノエと弁慶の間を超高速の豆?が通過。外に出た豆はそのまま凄まじい勢いで庭石にのめり込んだ)
九郎「……望美。お前、それは武器か?」
望美「え? 豆撒きだよ? やだな、九郎さん。見て解らない? 今年は中に鉄球仕込んであるから結構重いんだよ〜投げるのに筋肉使ってシェイプアップにおススメ! 通販で買ったの」
譲  「先輩また変なことにお金使ったんですか!? ちゃんと節約してくださいってお願いしてるじゃないですか!」
将臣「譲、怒るところはそこじゃない。望美、お前の豆撒きは相手を昏倒させた上に運が悪けりゃそのままお陀仏になるようなシロモノのことを言うのか?」
望美「うん」
将臣「頷くな!!」
(弁慶とヒノエ互いに豆が無くなり、冷戦状態へ)
弁慶「ああ、望美さん。僕は君のお陰であるものを開発しました。丁度いい機会です。ここの可愛い甥に、プレゼントすることにします」
ヒノ 「なんだよ。変なものなら遠慮するぜ」
望美「ああ、例のあれですか? 完成したんだ、良かったですね!」
弁慶「ええ、君の教科書を借りられて良かったです」
(弁慶おもむろに台所へ行きそこから、何かを手にして戻ってくる)
弁慶「せっかくの節分です。今までのことは綺麗さっぱり水に流して、僕からのプレゼントを受け取ってください。遠慮はいりませんよ。さぁさぁ」
(ぐりぐりとほっぺたに贈り付ける)
ヒノ 「そんな顔につけなくても解るよ。ったく、なんなんだよ」
弁慶「さぁ、白龍。ヒノエの持ってる奴にプチ龍神砲を」
ヒノ 「ちょっと待て!!」
白龍「うん、わかった!」
ヒノ 「えぇ!?」

------ボォン!!!!

(白龍のプチ龍神砲により、ヒノエの持ってたブツが爆発)
弁慶「ふーん、イマイチ火力が足りませんね」
望美「わーヒノエくん小麦粉の真っ白やこげて真っ黒になってたり、すっごいコラボだね! 弁慶さん、今度はピンクになるようにしてください」
弁慶「そうですね、色素を加えたらどうなるのか、僕も実験のし甲斐があります」
九郎「お前らのんびり話している場合じゃないだろう!! ヒノエ!? お前大丈夫か!!」
将臣「粉塵爆弾……!?」
譲  「おい、ヒノエしっかりしろよ! ダメだ、意識が無い!」
弁慶「ヒノエなら大丈夫ですよ。直に目覚めるはずですから(運が良ければ)」
九郎「その小さな括弧はなんだ!!」
弁慶「嫌だな九郎。人の心を覗くのは感心しませんよ」
譲  「そんなことより救急車ですよ!」
望美「そんなことより剥いで写真とってそこらの子に売れば高値で売れると思うの!!」
弁慶「いいですね、それ」
将臣「良くねェ! どさくさに紛れて私利私欲で動くな!!」


 結局三途の川を渡りかけたにも関わらず意識を取り戻したヒノエに、この節分のてんやわんや大騒ぎは終結した。
 ヒノエがもう二度と弁慶からの贈り物を受け取ることが無いのは、言うまでも無い。



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